2008年05月12日
3Mix-MP法についての当院の見解
TVで歯科のことが紹介されると必ず問い合わせがあるくらい,関心の高さを伺えます.
昨日TVにて3Mix-MP法という治療法が紹介されたと聞きました.
当院では現在使用を中止しておりますので,3Mix-MP法についての当院の見解をお話しします.
3-mix法は決して革新的な治療法ではなく,15年以上前の時代から検討されていた治療法です.
3種類の抗生物質を混ぜて,う窩(虫歯)に詰めるだけの治療法で,特段の技術も必要ではありません.
当院で使用を中止している理由は,
㈰保存治療において日本で最も権威のある学会である日本歯科保存学会の公式見解では,「3Mixは保存領域の治療に容認する薬剤としては現状では容認しがたい」と,完全に否定された治療法です.
㈪3Mix-MP法で使われるそれぞれの薬は安全性が確認されています.しかし3つの薬剤を混合する事により生じる相互作用については検証がなされていません.当然そのような危険性のある処方は厚生労働省は許可していません.
㈫混合診療が不可能な現在の医療制度では3Mixを用いることにより,他のすべての治療が保険外診療になります.
㈬3Mixを用いなくても,他の安全性の高い方法で当院では十分な治療効果が得られています.
以上のことから,当院では3Mixを使用する理由が見あたらないのが現実です.
歯科医療に新しい技術を導入することは大切ですが,科学的な根拠に基づいて判断する必要があります(EBMと言います).
このような観点から,3Mix-MP法は用いておりませんので,ご了承の程よろしくお願いいたします.
かめだ歯科医院;亀田