2008年03月21日
フッ素洗口の効果を実証−新成人の虫歯が全国平均の半分以下/静岡県
子どものころにフッ素洗口に取り組んだ静岡県川根町の新成人は全国平均に比べ虫歯が大幅に少ないことが、川根町歯科保健委員会、榛原歯科医師会などが同町の新成人に行った歯科検診結果で分かった。歯科保健委員会の又平基史会長は「フッ素洗口は、安全で有効な虫歯予防法。全県に広めていきたい」と意欲を示す。
検診をした新成人は、4—14歳までフッ素洗口に取り組んだ62人。1人当たりの平均虫歯数は2.7本で、全国平均(平成17年厚生労働省歯科疾患実態調査二十歳推計値)の半分以下だった。さらに、虫歯が10本以上ある人は1・6%で全国平均の25・0%を大幅に下回るなど、複数の虫歯を持つ人が大幅に少なかった。
同町は平成元年から、保育園で週5回、小中学校で週1回フッ素洗口に取り組んでいる。昭和59年の県学校歯科保健健康診断で、12歳の子どもの虫歯数が75市町村中最も多かったが、フッ素洗口開始後の平成15年には虫歯の少ない市町村3位となった。
県は、「しずおか健康創造21アクションプラン」で平成22年度までに、県内の小学校のフッ素洗口実施率を20%(100校)に上げる目標を掲げている。昨年度の実施校は約11%、60校。同プランがスタートした平成13年度から新たに開始したのは、10校ほどにとどまっている。
県健康増進局は「各学校の理解が必要だ。確実に効果が出ていることを知って、地域の保健機関と連携を取り進めてほしい」と呼び掛けている。